2/17
夢を見た。
勉強合宿で旅館に集められる。
知らない人達と共同生活を送っていた。大浴場に同年代の男性がいて、話をした。
現実での仕事と夢が混ざり合い、焦燥感が溢れて目が覚める。
雪が降った。
よっちゃんが興奮して窓から外を見ていた。
「雪が降るとなんか嬉しいね」
よっちゃんは今日は休みなので温かい布団にくるまり、丸くなった。
穏やかな休みを過ごしてほしい。
駅前の工事現場は朝礼中だった。
今日の作業を確認する。
沢山の作業員達が、毎日少しづつ作業を積み重ねると、いつの日か立派な建築物ができあがる。
現実味のない空想を現実に変える。
過去の出来事を聴取して、事実を確認する。
議事録を信じるけど、言葉は想像より伝わらない。
辻褄の合うストーリーを都合よく納得して過去は改編される。
家に帰るとよっちゃんがビビンバを作ってくれていた。
海苔が少なくて残念そうだったけど、とてもおいしかった。
休日の過ごし方を聞いてみた。
「バスで駅前の八百屋まで行ったよ」
穏やかで平和な日だったみたい。
他愛のない話で夜は深まる。
22:09
2/16
お弁当に筑前煮を詰める。
鍋いっぱいに作ったはずなのに、もう無くなってしまった。
鶏肉が形を保てないほど柔らかい。
よっちゃんの朝ごはん用に少しだけタッパーに残した。
僕は今日もファスティングって事にして朝ごはんを食べずに家を出る。
新聞を見ると紀伊國屋書店のじんぶん大賞に
デビッドグレーバーの「プルシットジョブ」が選ばれたらしい。
やりがいを感じないまま働く。ムダで無意味な仕事が増えていく。人の役に立つ仕事だけど給料が低い――それはすべてブルシット・ジョブ(クソどうでもいい仕事)のせいだった! 職場にひそむ精神的暴力や封建制・労働信仰を分析し、ブルシット・ジョブ蔓延のメカニズムを解明。仕事の「価値」を再考し、週一五時間労働の道筋をつける。『負債論』の著者による解放の書。
最近仕事について考える事が多い。
自分の適正と役目を本当に使役できているんだろうか。
電子書籍で購入しようと思ったけど、4000円もしたのでためらった。
今度本屋で試し読みしてから決めよう。
サーバーのメンテナンスがあったので、仕方なく早めに仕事を切り上げた。
今は「勉強」というやるべき事があるけれど、これが終わったら自由時間を何に費やそう。
色々とやりたい事は思い浮かぶけど、いざその時になると何も出来ずに終わってしまう。
「何もしない」は1番やりたい事では無いはずなのに。
夜、トンテキに特製のネギソースをかけた。
昨日の味噌汁を温め直す。
よっちゃんが美味しそうに食べてくれる。
明日は休みらしい。
布団で丸くなってる姿を想像する。
明日は雪らしい。
21:58
2/15
雨が降っていた。
昨日の穏やかな天気が恋しい。
「昨日がもう一回繰り返せばいいのにね」
そう言いながら羽毛布団から這い出る。
コンビニに沢山の車が止まっている。
土建屋のおっちゃん達が朝からシーフードヌードルをすする。
この辺りの建物はシーフードヌードルが原動力で建設されている。
体を動かす仕事を1年やればこのたるんだ体もマシになるんだろうか。
いまの職場で年度末を迎えるのは初めてなので、少しそわそわする。
旅行の時、何か忘れ物をしているような、そんな感覚が常にある。
そんな時はだいたいヘアワックスを入れ忘れてる。
1年経てばこのそわそわ感からも解放されるんだろうか。逆に得るものがなくなってしまうのか。
今日は昨日お惣菜コーナーで買ったヒレカツをカツとじにしよう。
野菜たっぷりの味噌汁も作った。
よっちゃんは甘い味付けが好き。
階段を上がり、扉が開く音がする。
「おかえりー」
20:43
2/14
今日はよっちゃんが休みだ。
昨日の夜バスケの動画を見てる僕に、「明日公園にバスケしにいこうよ」と言ってくれた。
よっちゃんはバスケの経験はないけれど、ドリブルを練習したいらしい。
エアードリブルを披露してくれたけど、かなり練習が必要そうだ。
梅おにぎりを握った。
少し小さめのおにぎりに、はちみつ梅をぎゅっと押し込む。
ツヤツヤのお米に海苔が張り付く。
外はピカピカの晴れだった。
空気が透き通り、何もかもが新鮮だった。
よっちゃんがコンビニでコーヒーを買ってくれる。
「コンビニで一緒にコーヒーを買ってる時間が好き」
公園にはたくさんの人が来ていて、僕たちはリングから離れた広場でドリブルの練習をした。
ボールが手に吸い付く感覚をすこし掴んだみたい。
上達するのは楽しい。
嬉しそうに汗をかいているよっちゃんを見て、こっちも嬉しくなった。
近くのベンチで、手作りのお弁当を食べた。
海を見ながら食べる梅おにぎりは、塩味がいつもより感じられて、あっという間に全部食べてしまった。
日向の階段に座るとお尻が温かい。
その後は近くの温泉に入って汗を流した。
「クーポンがあるからまた来ようね」
約束ができた。
温泉で身も心も解きほぐされてしまったので、お惣菜を買って家で食べよう。
20:36
2/13
今日は模試。
9月から約半年。自分の中に蓄積された知識を確認する。
記憶はどこに溜まるのだろう。
エビングハウスの忘却曲線では、復習しなければ記憶は時間と共に失われていく様子が単純なグラフになっていた。
なぜか強く記憶に残っている場面や映像には理由があるんだろうか。
ドトールで分厚いテキストを広げ、公式を頭に押し込む。いまにも頭からこぼれ落ちそうだ。
チーズサンドが崩れる。今日の店員さんは少しイラついてたみたいだった。
計画、環境設備、法規、構造、施工
建築士としての能力を試される。
わからない問題は、なぜあんなに無情で冷たく感じるんろうか。
愛想なく、曖昧な選択肢が残される。
結果はまあまあ。
テスト後の、勉強から解放された放課後のような雰囲気が懐かしい。
高校の時は友達とお好み焼きを食べた。
マクドナルドに憧れていたあの頃。
ドライブスルーのスピーカーから聞こえる店員さんの声にわくわくしていた。
帰り道、二人の好きなスパーリングワインを買った。
家にはよっちゃんが作ってくれたバスクチーズケーキがある。
一緒に食べよう。
20:41
2/12
夢を見た。
大雨が降った日、先輩が運転する車に乗る僕。
地下を通り抜けようとするが雨で浸水している。
先輩は思い切って地下に猛進する。
あまりに急な出来事に、僕は絶叫しながら車の窓が閉まっている事をしきりに確認していた。車は水に浮き、コントロールを失った状態で地下を彷徨う。
目が覚める。
週の始まりのような変な金曜日。
余力で乗り切ればまた土日がやって来る。
今週の土曜日は模試がある。
これまでやってきた事を試される。
人はこうやって短いスパンで強制的に追い込まれないと、努力を怠ってしまうのかもしれない。
人生はいつか終わる。
出来るだけ自分にできる事を短期間で増やしながら日々過ごしていくべきだ。
早めに帰宅して勉強机に向かった。
整理整頓された机は集中しやすい。
わかった気になっていたけど、いざ問題になると自分の知識が急に頼りなくなる。
「これだけ勉強したのに、本番で失敗したらどうしよう」
去年合格した人が本番前とても不安になったらしい。
プレッシャーを自分にもう一重かけ直す。
部屋が静まり返った気がした。
問題を読む。
記憶が蘇る。
19:09
2/11
勉強を始めようと机に向かっても、部屋が散らかっている事が許せなくなり、意図に反し掃除が始まってしまう事がある。
それなら最初から整理整頓された部屋で勉強机を始めよう。
机の広さは思考の広さ。
汚い部屋で頭の中を整理整頓される訳がない。
掃除機をかけ、100均で買ってきたバインダーに書類を整理する。
こういう作業は嫌いじゃない。
「めんどくさい」という感情と、実際の作業の量は比例しないのではないかという仮説を立てた。
地道な作業でも丁寧にひとつひとつ集中して、いれば、面倒だと考える余地は生まれない。
没頭。
視界をすべてその行為に沈めてしまおう。
我にかえり、残りの作業量等を認識してしまうと一気にめんどくさくなる。
建築設計の模型作りが好きだった。
スチレンボードをまっすぐ切り出し、糊で固定する。単純な作業を繰り返す。
机は散らかり、糊が手につく。手間を手間と思わない事が最後までやり遂げるコツだ。
没頭した先に自分の理想とする建築物が現れる。
肩が凝ってきた。
昼は、ほうれん草のレモンクリームパスタを作った。
無性にレモンが好きだ。
駅まで散歩に行こう。
冷蔵庫にコストコのピザがあるのを思い出す。
帰ったら、ピザとコーラをお供に海外ドラマでもみよう。
コーラにもレモンを絞った。
19:32