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花粉症の薬が切れたので最近は薬を飲まずに生活していた。
そこで初めて僕の花粉症シーズンが過ぎ去っている事に気付いた。
みんなは「自分はスギ花粉だ」とか「ヒノキ花粉の時期は大変だ」とか言っているけど、僕が知らないだけで花粉を分析できる能力が備わっているのだろうか。
自分の感覚しか知らないくせにそれが一般的な能力だと信じている。
絶対音感のように認められた能力ではなく、もっと地味な特殊能力があるのかも。
それを特技っていうのか。
僕の場合は、「なんでもそこそこまでならこなせる能力」かな。
仕事を終えて閉店した店を横目にお弁当屋さんに向かった。
最近できた唐揚げ専門店。
おおきい唐揚げと卵焼き、きんぴらごぼうとひじきが入っている。
朝Podcastで唐揚げの話を聞いてからずっと頭の中に唐揚げが残っていた。
「500円です」
匂いが漏れないようにビニール袋を閉じて電車に乗った。
家で唐揚げ弁当を食べながら中学校の時、知らない小学校から来た友達とどうやって仲良くなったかをよっちゃんと話した。
何か小さいことでもいいから認めてもらう事が自信に繋がるんだと思う。
中学時代の僕はなぜか「バカボンの絵を描けるようになろう」と思いたった。
「すげー」
って言われたかった。
些細な事だけど、そういう積み重ねがアイデンティティを作っているんだと思う。
無邪気さと大人らしさと男のプライドが複雑に混ざり合う時期。
屈折して悩んで嫌になってこそ人の苦しみが分かる人間になれるんだろうなと思った。
折れないで。
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