7/11
一級建築士、試験当日。
昨日の夜は下の階の人達がパーティーで騒いでいたので眠りが浅かった気がする。
高校時代、センター試験前に先生が
「なれなくても心配するな、目を閉じているだけでも脳は回復する」
と言っていたのを思い出して、ひたすら目を閉じて耐えた。
コンビニでサンドイッチと栄養ドリンクを買った。
"もしダメだったら"と考えると心臓が凍ってしまうような感覚になった。
頭が働いていない気がする。
よっちゃんの好きな白い花の香りがした。
花の名前は何だっけ。
試験が始まる。
「あなたが見たことのない問題は、みんなも見た事がない」
そう自分に言い聞かせ、湧き出る不安を拭いながら問題に取り組んだ。
持ち込んだ法令集がチェックされる。
必要以上の書き込みがあれば没収される。
ページをめくる手が止まる。
心拍数が上がる。
なんとかチェックをくぐり抜けた。
17:55 試験が終了した。
ここから資格学校で採点される。
生きた心地がしないまま、答えが出揃うのを待つ。
20:02 正答枝が読み上げられる。
祈るような気持ちで○と×を付ける。
ひと思いに殺して欲しい気持ちだった。
結果は 92/125 点
合格基準点は86点なのでおそらく合格だ。
そのあとオリエンテーションがあって帰宅した。
家ではよっちゃんが晩御飯を作って待っていてくれた。
「私は受かると信じてたよ」
人生のセーブデータが更新された気がした。
24:31