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「すごい雨だったね」
よっちゃんが夜中に降った豪雨の感想を言った。
僕は熟睡していて全く記憶にない。
僕は小さい頃から物音や地震があってもなかなか目覚めることがなかった。
「パチ」とスイッチを切ったように眠る。
外に出ると昨日の雨が続いていた。
防水スプレーを忘れたなあ、と自分を責めながら足元を濡らし出勤する。
ポケットの縫い目がほつれている。
靴もパンツもメンテナンスが必要だ。
皺寄せを整える日を作ろう。
自分自身も。
帰宅するとよっちゃんがちくわを食べていた。
彼女の今日の晩ご飯はちくわと黒豆らしい。
昨日の残り物を温める。
窓の近くで横になった。
雨が止み、冷やされた風が顔にあたる。
仕事や勉強の事を一旦忘れてみた。
風が止まる。
心が静まり凪になる。
22:59