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時間の流れは本当に一定なんだろうか。
相対性理論によると、速度差および重力差によっては観測者ごとに時間の流れに誤差が生じるらしい。
今朝は重力がかかっているみたいだ。
布団からでることができないし、手のひらから水が流れ落ちるように時間が過ぎてゆく。
顔を洗おう。
冷水がお湯に変わる音がする。
湯気が部屋に張る。
朝だ。
おにぎりセールなので大きい鮭の入ったおにぎりを買ってみた。
信号が故障している。
歩行者が優先され、車がすました顔して行儀良く白線で停車していた。
よく見るとパトカーが止まっていた。
優等生ぶったバンがイラついている。
穏やかな昼。
緊張感がなくなって、考えがまとまらなくなってきた。
時間が長い。ふわふわした気分だ。
映画インターステラーでは重力が大きい惑星で滞在し過ぎて、クーパーは娘の年齢を超えてしまった。
いま自分は周りより時間が伸びているのかも知れない。
窓からの日差しが空気を暖める。
にじむ空間、膨張する大気。
帰る頃には気温も下がり、時間は元に戻る。
同じ時を過ごす。
少しでも長く。
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